ここが変かも沖縄人 『愛すべきウチナーンチュへ』
〜ちょっとした本土との風習の違い(バカにしてませんよ!)〜
このページでは、僕が感じた、沖縄の人の独特な文化風習を、本土(と言っても僕の生まれ育った東京基準で申し訳ないのですが)と比較して、興味深かった違いを列挙します。尚、タイトルで『…変…』と言ってしまっておりますが、別に改めることを願っているわけでは決してありませんのでよろしく。文化風習の違いは決して悪いことではないのですから。
11.スーパーにて
これは、沖縄に来てとても感動したことのうちの一つです。
移住後、すぐにスーパーに食料品を買いに行ったときの話です。沖縄のスーパー、店頭には何が並んでいるのかを一通り眺め、「メーカーは違えど、基本的に並んでいるものは同じ」であることを確認したうえで、数点、食料品をかごに入れました。
そして、当然ですが、レジに向かうわけです。そこで衝撃の体験をします。
そのときは空いており、私がレジに向かうとすぐに精算をしてくれたのですが、その時対応してくれたのは、若いお姉さんでした。そしてそのお姉さん、何と買い物カゴから商品を出して、バーコードに通した後、その商品を何と、ビニール袋に詰めてくれているではありませんか!!
一つ一つ丁寧に一生懸命詰めてくれています。そして全部の商品を詰め終わると、ビニールの口をキュッとしばってくれたのでした。
「この人、何でこんなに自分に親切にしてくれるんだろう…」とすごい勘違いの感激をしてしまったのでした。
なぜ勘違いかと申しますと、ここ沖縄では、スーパーで買い物をすると、一部を除いて、必ず袋詰めまでしてくれるのです。それに気づいたのは、私がその親切にオロオロしてしまっている時、私の次の客にも同じように袋詰めしているのを見た瞬間でした。
私は当然その習慣を知らず、てっきり自分にだけ優しくしてくれていると思ってしまったのでした。ほんとに、レシートの裏に電話番号でも書いて渡した方がいいのかと思ったほどです。
ああ、男って馬鹿…。
ちなみにもう一つ、その時に感動したのが、つり銭を渡された時のことです。
右手で「お返しです。」と渡してくれるのですが、私も当然手を出して受け取ります。その時、彼女は彼女の左手を、私の差し出した手の下に添えて、丁寧に渡してくれたのでした!!…絵的に分かります?
もうその真心のこもったつり銭の渡し方(?)にジーンときてしまったのでした。
ああ、やっぱり男って馬鹿…。
12.コンビニにて
「
おにぎり温めますかー?」
コンビニに響く、サワヤカなレジのお姉さんの声…。
いや、ちょっと待ってよ。お姉さん、あなた今何て言いました?「おにぎり温めるか」?…これも本当にビックリしました。そうなんです。沖縄では、弁当のみならず、おにぎりも「
温めます可(『あたためますか』※作者の造語)」商品なんです。いえ、それだけではありません。何とパンもこの
「温めます可」対象なんです。
ただ、パンについては、
全てのパンが「温めます可」ではないらしいのです。ソーセージが入っている等、「温めても美味しい」ものに限られるそうです。ジャムパンとかクリームパンは「温めます可」対象ではないそうです。…別に温めてもいいと思うけどなぁ。
で、実際これらのおにぎりやパン、
温めると美味しいらしいんですよ。
沖縄の人の言い分としては、「
だってご飯は温かいほうが美味しいもん」というものです。なるほど確かにご飯は温かいほうが美味しいですね。しかし、なんとなくですが、
「ご飯はおにぎりとなった瞬間、ご飯とは別物になる。よって、冷えてもOK」的な考え、ないですか?
そしてもう1点、本土のコンビニと違う点なのですが…
「
こちらの(ペットボトルの)ジュースに、ストローおつけしますかー?」
…そうなんです。沖縄では、けっこうな確率でこれを聞かれます。沖縄では、パックのジュースのみならず、ペットボトルのドリンクも「
ストローお付けします可」対象なのでした。
面白いのが、沖縄ではこの『パン・おにぎりも温めます可』『ペットボトルドリンクにストローお付けします可』が、全国的にそうだと思っている人が多いのです。
なので、「違う」旨を話しますとビックリしますよ。
13.濡れた道路がやたらと滑る
沖縄の道路は、見た目がちょっと白っぽく、濡れるととても滑ります。原因はどうやら聞いた話によると、
アスファルトにサンゴのかけらや石灰成分を混ぜているかららしいです。
冗談抜きで本当に滑ります。もちろんアイスバーンのようなすべり方ではないですが。
実感した具体例を2つほど。
私は去年の
那覇マラソンに出場したのですが、その日は
朝から小雨のぱらつく天気でした。当然路面は濡れています。…滑るんです
。道路を蹴る足に、普段よりも力が入らないことがはっきりと感じ取れました。交差点を走って
曲がる時も、なんとなく怖かったのを覚えています。
別の時、
友達の運転で深夜にドライブに行きました。
車に乗ってすぐに、
大雨が降ってきて、道路はびしょぬれになってしまいました。
そんな中、ある交差点で信号のために停車したのですが、その交差点は少し上り坂になっていました。その友達は、上り坂なのでアクセルを吹かそうと思ったのでしょう、信号が青になったのと同時に、
アクセルを踏み込みました。すると、もう
溝のないタイヤの少ないグリップ力と、この
滑りやすい道路の二段攻撃では、道路をしっかりとグリップすることができずに、大して馬力もないのに私の車は、
すさまじいホイルスピンをしてしまいました。友達はあせってハンドルを左右に振ったのですが、
その瞬間にタイヤがグリップし、変な方向へ一気に進んでいきました。
深夜で車が少なかったのでよかったのですが、もし昼の交通量だったら、横の車に突っ込んでしまっていたかもしれません。
いずれにしても沖縄の道路は滑ります(最近新しく舗装したところは平気と言う話も聞いたことがあります)。なので、移住を考えていらっしゃる方で、「当座は原付でも買って、それを足にしよう」と思われている方は、この現実を一応覚えておいた方がよろしいかと思います。
もちろん、バイクは沖縄でたくさんの人に支持されている交通手段で、利用者もたくさんいらっしゃいますので、慣れればなんてことはないのですが、本土からの人が、この『意外と滑りやすい』ということを知らないでバイクに乗ると、少し危ないかもしれませんのでご注意を!!
14.マクドナルドにて
沖縄ではマクドナルドでポテトを頼むと、
何も言わなくても必ずケチャップがついてきます。
最初私はセットで頼んだのですが、それにケチャップがついてきたため、一体何に使うのか分かりませんでした。もっとも、ポテト以外に使う対象はありませんから、「
あ、ポテトにケチャップをつけるんだな」とすぐに気づき、さすがに、
スーパーのレジ袋のような、
「私だけに示してくれた優しさ」とは思いませんでしたが。
その時、「そういえば、
沖縄の友達は東京でもマクドナルドでは『すいません、ケチャップ下さい』といっていたなぁ」と思ったりもしたものです。
沖縄の人にこの「ポテトにケチャップがついてくるのは沖縄だけ」の話をすると、必ず
「え?じゃあ何味なの?」と聞かれます。
答えは塩味です。すると「物足りなくないか」と聞いてきます。店員さんの塩の量によりますが、
基本的には物足りなくないですよね。
そういえば、たしか
アメリカではケチャップって標準でついてくるんですよね。そのアメリカ文化の影響でしょうか。
15.居酒屋でのオシボリ
これ、けっこう有名な話なので、本土でこの部分をご覧の方でもご存知の方がいらっしゃるかもしれません。
本土のみなさん、
居酒屋でオシボリが出されまして、手を拭き終わった後、そのオシボリをどうされますか?おそらく、
適当に丸めてテーブルの端に置いておくなどされるのではないでしょうか。
沖縄では、
使用済みのオシボリはキレイに四つ折にして、提供された飲み物のコースター代わりに使うんです。
事実、居酒屋の席で、ナイチャーとウチナーンチュが混在するメンバーの場合、この
『使用後のオシボリ』のポジションで、ナイチャーとウチナーンチュが見分けられるといっても過言ではありません。ではありますが、後述しますが、実はこの
『オシボリコースター』、非常に合理的な利用方法でして、ナイチャーの中にも、この方法をとる人間が出てきたりします。
さて、その合理性とは何か。
・グラスをつたう水滴を吸ってくれるので、テーブルが水浸しにならない。
・冷たい水滴を吸い続けてくれるので、何回でもオシボリとして使える。
・オシボリが煩雑としないので、テーブル上が整然としている。
何かと「テーゲー(適当)」と言われる沖縄社会も、意外なところで合理性を発揮しているのは興味深いですよね!
16.告別式広告
私が
職業訓練学校に通うことになったことは別のところで触れました。そこでも書かせていただきましたが、その訓練は国からの補助金がでている上に、
通った日数分、手当てが出ました。ですから、もし病気やその他
止むをえない事情でその学校を休む場合は、その事由をきちんと証明できるものが必要となりました。これは当然のことと言えます。
さて、このことは、訓練学校が始まると同時に、
最初のガイダンスで告げられるのですが、その説明時に
不思議に思ったことがありました。
この『事由をきちんと証明できるもの』の提出義務の説明をしてくれた係の人が、次のような内容で話したのです。
「例えば、病気で休んだ場合は、病院のレシートかまたは薬局のレシートを提出してください。また、親戚にご不幸があった場合は、新聞の切抜きを持ってきてください。」
『…親戚にご不幸があった場合は、新聞の切り抜き…』?
最初は全く何のことか分かりませんでした。確かに東京でも、新聞の「
訃報欄」に、
亡くなった方の情報が載り、
喪主や
告別式会場が掲載されます。が、新聞に載る人など、いわゆる
本当にVIPな方たちです。なので、その説明を聞いた時、
『そんなVIPな人たちを家族に持つ人間が、こんなところにいないだろう』と思ったものです。
しかし、こちらの
新聞を開くと、その疑問は一発で解決します。
沖縄では、身内の誰かが亡くなると、新聞に
告別式広告なるものを出すよう依頼します。そこには
「亡くなった方の名前」「永眠した日時」「告別式日時・会場」「喪主・及び家族」がズラッと掲載されます。
そしてこの告別式広告が、毎日
朝刊の一つの面を割いて、何件も掲載されているのです。
大城さん、金城さん、比嘉さんは、その苗字の人が多い分、毎日たくさんいらっしゃいますが…。
事実、友人の話によると、その友人の母親は道行く際に告別式が執り行われていると、帰宅すると同時に新聞を開き、その告別式が誰のものか、もっと言うと自分と少なからず関わりのある人のものかを習慣的に調べるそうです。
ここらへんからもまた、横のつながりの強さと言うか、沖縄の狭さがうかがえます。
17.ひざまずき
さて、本土の皆さん、小学校の時、
習字の時間に
床に座ってやられた方もいらっしゃるかと思います。その時、どういう座り方でした?
そしてもう1点、例えば中学生とかの時、
悪いことをして先生たちに並ばされて、説教のために座らされた時、どういう座り方でした?
そうです。
正座、ですよね。
沖縄では正座のことを「ひざまずき」と言うそうです。私もナマで聞いたことはないのですが(大人になると「正座」を強いられる状況がなくなりますからね)。
すごくないですか?ひざまずき。
先生が、生徒たちに「
はい、みんな『ひざまずき』しなさい。」と言うそうです。もっとも、『ひざまずく』という
動詞形では使われないみたいです。つまり、「ひざまずきなさい」とは言わず、あくまでも
名詞形で「『ひざまずき』しなさい」と言う風に使うそうです。
…何と言うか、私のイメージでは、「ひざまずく」って、
とてつもなく服従的なイメージがあるんですよ。皆さんはないですか?
言われたらびっくりですよ。
「こらっ!!ひざまずきしなさいっ!」
18.モアイ(模合)
以前東京にいた時沖縄出身の友達がこう聞いてきたことがありました。「
モアイって知ってる?」
アクセントが違うなぁ(
彼は「モアイ(↑)」と言いましたが、
私の知っているのは「モアイ(↓)」でした)、と思いながらも私は答えました。「知ってるよ。あの
イースター島のでしょ?」
彼は笑いながら、「そうだよね。知らないよね。モアイって言うのはね…」と、
沖縄に存在する独特の慣習を話し始めたのでした。
モアイとは
仲の良いグループで、大体月に一度ほど開かれる会合(飲み会)です。そしてそこでは、みんなが
毎月決まった額を、その飲み代とは別に持ち寄ります。
ここでは仮に、5人のグループで、一人1万円としておきます。すると当然その場には5万円集まります。
その5万円を、今月はAさんが、来月はBさんが…というように順番に受け取っていく制度なのです。つまり、
今月受け取るAさんの懐には、4万円が入ってくることになります(自分の1万円は相殺されるので)。このように、人数と同じ月数に一度、(人数−1)万円をもらえる制度なのです。
この『誰が受け取るか』の順番は、
例外的に変更されることもあるそうです。例えばCさんは今月、冠婚葬祭が重なって金銭的にきつかったとすると、「
ごめん、今月は俺にさせて…」というような申請ができ、順番が変わったりもするということです。
また、このような形ではなく、
別の形態のモアイもあるとか。つまり、単純にみんながお金を持ち寄って、それを
みんなで一つの銀行口座に積み立て、ある目標金額を達成したら取り崩し、
旅行等に使う、というものです。
いずれにしても、このモアイ、沖縄ではほとんどの人がやっております。人によっては、学友のモアイ、職場のモアイ、親族のモアイなど、数件掛け持っている人もいるとか。そして、職場などでも、「ごめん、今日モアイだから先に失礼しましょうね(でた!「…しょうね」!)。」というような理由もまかり通るくらい、メジャーで、他人からの理解を得られる風習なのです。
そもそもこの風習は、銀行がない時代に、みんなで助け合う流れから発生したものとか。今ではただ単に飲み会の口実になっていると言う説も…。
あと聞いたことがあるのは、「沖縄の人は自分できちんとお金を管理できないから、連帯責任的に管理するんだ」という話もありました。
あと、ごくごく稀にではありますが、友情を破って持ち逃げした人がいる、なんていう笑えない話も。
いずれにしても、このモアイという慣習、沖縄ならですね。私もやる…かなぁ。やっぱりお金って争いの元にもなりかねないしなぁ、と思ってしまうのは、東京出身のせいでしょうか。
19.ネーミングがちょっと… PART2
実際に見た面白い看板等をご紹介します。
これに関しては、特にコメントはいたしません。
1)交通標語
「おっと とっと 車だぜ」
…
そうですね。確かに私は車であなたを見ました。『おっとっと』じゃないあたりにセンスを感じます。
そして『だぜ』。『だよ』ではダメなのでしょうか。やはりここは一つ男らしさをアピールですね。
皆さんも口に出してみてください。はいっ!
「おっと とっと 車だぜ!」
2)交通標語 その2
「声かけおじさん 出没注意」
うっかり声もかけられませんね。だって『おじさん』ってみなされちゃうんでしょ?
しかし、熊じゃないんだから『出没』って…。
これじゃ道も聞けないよホント…。
3)
理髪店にて
「髪の毛一本一本を大切にする 理容ケムケム」
髪の毛を愛する心あまって、うっかり煙に巻くような店名にしちゃいました。でも、腕は確かだはず。しかし、『ケ』と『ム』のポイントに差があるのは何故??
4)歯科医にて
…これ、絶対モデルはアン○ンマンですよね・・・。
この歯科医の先生が、「よしっ、モデルはアン○ンマンにしよう!」と決意されたその瞬間に居合わせたかったです。
でもやはり子供さんはこういうキャラクターが大好きですからね♪
しかもよく見ると可愛いし。
5)地名
「うるま市 昆布」
これ、本当にこういう住所らしいんですよ。すごいですよね。昆布(地図はこちらをクリック)。
「どこ住んでるの?」
「うるまの昆布!」
「…いや、どこに住んでるの?」
「だから昆布!」
6)スナックの店名
「スナック 母子家庭」
でた!真打登場!!
これ、会計の時にお釣り、もらいにくいですよね。「あの…えっと…すいません…」とか謝っちゃったりして…。
転載を許可してくれた友人に感謝です。
こういう面白い標語・看板・店名は日本全国にありますが、ここ沖縄でも存分にそれは見ることができます。大変素晴らしいですね。これからもガンガンこういう物を全面に押し出して欲しいものです。
20.言い回し
以前、沖縄独特の言い回し、「
…しょうね」をご紹介しましたが、やはりそれに似た沖縄独特の表現を幾つかご紹介します。
1.何か
モノを人にあげる時、本土では「
さしあげましょうか?」というような言い方をしますよね。
でも、沖縄では「
もらいます?」って聞くんです。
私が以前、携帯電話の機種変更をしようと、携帯電話のショップに行った時のことですが、手続が済んでレジに向かった時、レジに
面白いキャラクターの人形があったんです。それを手にとって見ていたら、店員さんが、「
あっ、それ見本ですよ。新しいのもらいます?」って聞いてきてくれました。
相手の観点に立つんですね。
2.同じように、
相手の観点に立つという点で、時々挙げられる沖縄の表現です。
これから自分がそちらに向かう、という表現を、本土では、「
今から行くね。」と言います。が、沖縄では「
今から来ようね〜。」と言います。例えば、おじいちゃんが孫の顔見たさに家を出るとき、「
オジイ、今から来ようね〜。」と言うそうです。
この予備知識がないまま、この表現を始めて聞くと、「??」ってなりますよね。でも、この表現がおかしいということは、皆うすうす感じているらしく、
親に直させられたりすることもあるらしいです。
3.あと、これは
細かい話な上、
本土でも稀にこういう人がいらっしゃる、という点なのですが、疑問系の文の、
語尾に「…か?」をつけない人が多いです。
例としては、「
こちらでよろしいです?」「
この店にはよく来るんです?」というような感じです。
でも面白いもので、こういう表現、
移住してきた本土出身の人も移ってきたりするんですよね。