ここが変かも沖縄人 『愛すべきウチナーンチュへ』
〜ちょっとした本土との風習の違い(バカにしてませんよ!)〜
このページでは、僕が感じた、沖縄の人の独特な文化風習を、本土(と言っても僕の生まれ育った東京基準で申し訳ないのですが)と比較して、興味深かった違いを列挙します。尚、タイトルで『…変…』と言ってしまっておりますが、別に改めることを願っているわけでは決してありませんのでよろしく。文化風習の違いは決して悪いことではないのですから。
41.体を張った客引きさん
沖縄で一番の歓楽街と言えば、
那覇市の
松山〜若狭〜辻界隈ではないでしょうか。
いわゆる色町です。
ある時、東京から来た友人が、
辻の中のホテルに宿泊しているということで、夜に待ち合わせをして車で、
そのホテルまで迎えに行ったことがありました。
そのホテルは、その
色町の中の、
細く入り組んだ路地の中にあったのですが、そのホテルに向かう途中、
明らかにイカガワシイ建物の前に2人の男性が立っているのを確認しました。狭かったので、スピードを緩めながら通り過ぎようと思ったのですが、その男性たちは、こちらの車を確認するやいなや、
いきなり手を上げて飛び出してきて、そして何やら叫びだしたのです。とてもビックリして車を止め、窓を開けました。(なんだろう?接触したのかな。道に迷って聞きたいのかな…)、と考えながら「
…はい?」とたずねると、その男から飛び出した言葉は…
「どう?お兄さん、寄ってかない?」
…ウィーン(窓を閉める音)、ブーン(車を走らせる音)…。
ふざけるなって。
ホントにぶっ飛ばしてやろうかと思いました。そんな
体を張った客引きをするなって。こっちもビックリするじゃないか。
本当に、
こっちの客引きって、走り過ぎようとする車に向かって、手を挙げて止めようとして、中には小走りで追いかけながら客をゲットしようとするんです。
確かに、
沖縄は車社会なので(くどいですが)、駅の周りの繁華街などは存在しません(厳密にはモノレールはありますが)。なので、
通りかかった獲物は、体を張ってでも、小走りになろうとも捕まえようと努力するんですね。
そんなことがあってからは、
どんなに手を挙げられようとも、必ず無視して通り過ぎるようにしています。
新宿の歌舞伎町では、最近取締りが厳しくなって、
路上での客引きが禁じられましたよね。キレイに落ち着いたような、活気がなくなってちょっと寂しくなったような…。でも、
ここ沖縄では、いまだにこのような泥臭いというか、命がけの客引きが現役で行われております。皆さんも、車でウッカリ轢くことがありませんよう…。
42.コンビニ駐車場の皆さん(by トシ)
もう一昔前になるんでしょうか。
ジベタリアンなる言葉がありましたよね。そう、公共の場である路上や電車の中にも関わらず、誰に構うことも無く地べたに座り込んでいる(多くは)若者たちの事を指す造語です。私が本土に住んでいた時も、電車の中などで地べたに座り込んでいる人は時々みかけましたが、
当然ほとんどは夏の間などの期間限定、ちょっと学校サボって街をほっつき歩いてるような、そこらへんの高校生などがメインでしたが、ここ沖縄では若干事情が違うようで。
コンビニの駐車場で酒盛りしてます。
コレって沖縄だけなんじゃないでしょうか?
多くは高校生ではなく、高校卒業以降の若い人達のようなんですが、ジャージとか着て金髪のヤンキーチックな感じのお兄ちゃんや、作業服着た土木系の人達など、人種は様々。ときどき女の子なんかも混じってるし、どう見ても30代に見える人なんかもいます。
で、コンビニの駐車場の車止めの縁石に座り込んでビール飲みながら、カップ麺(コンビニでお湯いれてくれる)とかお菓子とか弁当とか食べて深夜までワイワイやってるんです。
これをご覧になった沖縄在住の皆さんは「ああ!いるいる!」と思われたんじゃないでしょうか。
なんなんでしょうかね。こういうのは。
いや、まあホントの事情は定かじゃないので、安易に批判するつもりはないんですが、
やっぱり私なども深夜に車でコンビニに買出し等に行くと、堂々と駐車場の一角を占拠して酒盛りやってる連中がいるわけですから、最初はちょっと怖かったですね。
まあ、変に構ったりしない限りは、まずイザコザになったりはしないと思うんですが、
やっぱり見栄えがよろしくない。で、気にせず通り過ぎるフリして彼らの会話を聞いてて、解ったことが1つ。
おそらく多くは、職場の同僚とかではなく、地元の友人(中学校の同級生)などである。
本土と違って、冬になっても大して寒くない事。お金がかからない事。そして、地元の人間同士つながりの強い(?)県民性。まあ、彼らにとっては、ちょっと仕事が終わったあとの地元民同士の井戸端会議のようなモノなんでしょうか。
沖縄出身でこちらをご覧の皆様、この推察、合ってますでしょうか?
43.便利な言葉「だからよ〜」(by トシ)
「内地はさ〜。今年の冬は暖冬だってよ。」
「そうらしいね。」
「でもよ〜。とは言っても気温7℃とか普通らしいけどさ」
「俺ら突然連れて行かれたら、凍え死ぬはずね」
「だからよ〜!」
「お正月は実家帰ったの?そりゃあ両親は喜んだはずね。」
「そうねぇ。」
「帰って来い。なんてそれとなく言われなかった?」
「いやぁ〜。それは無いけど」
「いや、内心はそう思ってるはずよ」
「だからね〜・・・」
「オマエ、今日中にこの書類作っとかないと、明日怒られるぞ」
「だからね〜」
「大丈夫かぁ〜。○○さん、神経質なんだからさぁ」
「だからね〜・・・」
これ全部、私トシの最近の会話からの抜粋です(笑)
沖縄で生活していればほぼ毎日、それこそ聞かない日はないんじゃないか
という位に頻繁に使われるのがこの言葉。それでいて、本土から移住して
来た方々にしてみれば、最初はその用途に若干の戸惑いを覚えた方も多い
んじゃないでしょうか?
だって、意味を知らない状態で、普通に日本語的
な解釈をすると、
「だからよ」→「だからだよ」→「だから、そうなのよ!」 って感じじゃないですか。
なんだかうまく言えないけれど、すごくこちら
が言ったことに対して「そんなの当たり前でしょ!」とでも言われてる様な
ニュアンスに聴こえません?僕は最初そうだったんですけど。
ところがどっこい、沖縄で使われるこの言葉、本来はそんなニュアンスでは
当然なく、様々なシチュエーションに対応できる七変化の能力を持った
「スーパーオールマイティー同意語」(勝手な命名)なのでした。
上記例題の3つ目なんか、まさにそのオールマイティーぶり全開の最たるモノ。
もはや同意語の域を超越し、
「自分に都合の悪い事柄の適当な聞き流し」的用途になっちゃってますが・・・。
これもこれで沖縄では、なんの問題もありません。違和感ナシ。
さあ、みなさんも明日から使いましょう。
「だからよ〜」。
44.整備不良のクルマ多し(by トシ)
これも本土出身の方で、一年くらい住めばお気づきになる方も多いと思うのですが、
基本、整備不良のクルマがすごく多いです。
具体的には、
ゆうちゃんも書いていますが、
スペアタイヤをつけたままにして走っている、ヘッドランプ、テールランプ等が片方切れた(片目)でもそのまんま直さない、バンパーや側面などをブツけて凹んでいてもそのまんま、等。
私の知人の沖縄出身者など、ライトエースのワゴン車に乗っているのですが、
リアのガラスに全幅の半分以上にも及ぶヒビが入っているにも関わらず、ガムテープで留めただけで直す気など一向になく、一年以上ほったらかしにしているツワモノもいます。
「なんで直さないの」との質問に彼いわく
「直しても意味ないさぁ。高くつくだけなのに。雨は入ってこないよ」。だと。
まあ、今のは極端な例だとしても、当然ながく乗っていればあちらこちらの消費部品がどんどんダメになっていくのは解るんですが、
本土のクルマのオーナーたちに比べると、どうしてもそこら辺がノンビリしてるといいますか、ちょっとやそっとの事じゃあ直そうとしないんですよね。いや、もちろん語弊もあると思いますが、やっぱりこれもノンビリした県民性から来るものとでも言いましょうか・・・。
やはりこういった県民性も大きな理由だとは思いますが、ここ沖縄では、考えられる要素がもう1つあります。それは
「とにかくクルマが痛みやすい事」です。
確かにそうですよね。
高温多湿で多雨、さらに長い夏の間の日中は猛烈な太陽光をモロに受け続け、台風時には海から巻き上げられた塩分を多量に含む風雨にさらされるという環境というのは、ハッキリ言ってクルマにとっては相当にハードな環境かもしれません。
ここ沖縄では(また別の機会に書きますが)
県民所得の低さに比べて車の需要が非常に高いこと(家族の人数=クルマの台数なんて家庭なんて、ザラです)もあり、軽自動車の割合が非常に高いのですが、クルマってもの自体が、ハッキリ言って感覚的には立派な資産なんてものではなく、
乗り潰してナンボの耐久消費財として捉えられている気がしますね。
私にしたって、どんなに収入が増えようとも、沖縄でピカピカの新車なんて購入する気にはなりませんもの。
実際、私が乗っているクルマも、本土から運んでくる前は、塗装から何から非常に綺麗な状態だったにも関わらず、
沖縄に来てからの約3年の間で、別にどこもブツけているわけでもないのに、なんだか色もくすんで輝きがなくなり、ワイパーの付け根あたりの少しだけ塗装が剥げた部分から錆が漏れ出しています。本土に帰った時などに注意して見ていると確実に違いがわかりますね。走っているクルマの塗装が綺麗ですもん。
そんなこんなで、沖縄のクルマは整備不良のものが多いという事象の説明を試みましたが、この考察、いかがなもんでしょうか?
ちなみにアドバイスをひとつ。沖縄でクルマを持つ場合は、
屋外に駐車しているクルマの場合は特に、少なくとも台風が来た後は必ず洗車をして塩を洗い流した方が良いです。実際、台風の後のガソリンスタンドは洗車をしに来る車で行列ができています。
45.ウチナーニービチその1(by トシ)
今まで(ほとんどゆうちゃんの記事ですが・・・)こんなに沢山の記事がアップされていながら、
まさに有りそうで無かった、とはこの事でしょうか。私トシですら灯台下暗しといった感じで、
ぜひぜひ書いておきたい面白いネタがありましたので、ここでひとつ。
それは沖縄の結婚式。方言では
「ニービチ」といいます。
「ウチナーニービチ」ですね。
結婚式といえば、本土では大体どこも同じようなものだと思いますが、
ハッキリ言って沖縄の結婚式・・・マジでぜんぜん違います。
人員規模やプログラムなど、本土の方が沖縄で暮らし始めて感じるカルチャーギャップの最たるモノといっても過言ではないのではないでしょうか。
一度に書くと長くなってしまいそうなので、2回に分けて書いてみようと思います。
第一回:人員規模とご祝儀について
まず、人員規模について。
沖縄の結婚式、というか披露宴。とにかく規模がでかいです。
ふつう披露宴の参加人数といえば、大きくても大体100人からマックス200人くらいだと思いますが、沖縄の場合、
300人クラスの披露宴は、はっきりいってザラです。
ゆうちゃんも頻繁に書いているように、
とにかく世間が狭くて、横の繋がりが密な社会なので、それこそ新郎新婦二人とも沖縄出身者の式ともなれば、まずそれぞれの職場の同僚(これまた共働き率が高いので、多くなる)に始まって親戚一同、友人知人(これもまた、中学高校の同級生たちなど、わんさか)などが大挙してやってきます。広い会場内には円卓がギッシリと並べられ、そこに職場や親戚、友人知人たちがグループで着席するのはだいたい本土と同じですが、参加者同士でも、久しぶりに会った同級生などで話に花が咲き、さながらそこは同窓会の会場といった様相も。宮古なんかだと更に大規模な結婚式が行われると聞いたことがあります。
そして、特徴的な事のもうひとつが、
ご祝儀の額です。
これには私も、はじめて沖縄で結婚式に出席した時は本当にビックリしました。
まず、ご祝儀の額って、
本土の結婚式で、ある程度近い間柄ならば、大体相場は2〜3万円(最近はほとんど3万なのかな?)じゃないですか。
これは私の経験談(マジで本当の話です)なんですが、沖縄に住み始めて初めての結婚式、働き始めて3ヶ月くらいの時で、職場の同僚の結婚式だったのですが、なんにも聞いてなかったし、普通に3万円包んだんです。
無事に結婚式も終わり、そのまま一週間の新婚旅行に旅立ったその同僚。休暇明けの初出勤の日に、おもむろに私の所にやってきて、茶封筒を渡すんですね。なんと中には2万円が・・・。
キョトンとしている私に一言。
「やっぱり知らなかったんだ。沖縄の結婚式は1万円でいいわけさぁ。ましてや年下で、まだ入って3ヶ月の子に、こんなにもらう訳にはいかんよ」だと。
そうなんです。
沖縄の結婚式では、ご祝儀の相場は、マジでポッキリ「一万円」。それ以上でもそれ以下でもありません。
先にも書いたように
人員規模が大きいので、一人当たり一万円でも、やる側も充分に元が取れるという訳なんです。また、単純に考えて一回あたりの人員規模が大きいという事は、参加する側も、それこそ(私くらいの、同年代がどんどん結婚していく時期ってのは特に)年に何回も結婚式の招待状が届きますが、
一万円ならフトコロにも優しいし、何より気軽に参加できますよね。
それにしても「一万円」って・・・。同じく移住者の友人たちも言ってますが
「一万円って解っていても、やっぱり始めて渡す時はドキドキしたよ。自分だけだったらどうしよう〜・・・」
確かにそうですよね。この記事をご覧の方で、もしご存知の方がいたら掲示板などで教えて欲しいのですが、私などの比較的若い参加者は、間違いなく「一万円」でいいんですが、
さすがに、社長、部長クラスになるとどうなんでしょう・・?簡単に聞くわけにもいかないし、移住して4年目の私でも知りません。
どなたか証言お待ちしております。
次回は「余興」について書いてみたいと思います。
46.ウチナーニービチその2(by トシ)
では、とっても面白いウチナーニービチの第二回にいってみたいと思います。
第二回:余興その1
基本的に沖縄の結婚式、まず本土と比べて
すっごく緊張感が少ないんですね(笑)
本土の結婚式なんてのは、やっぱりカチッとした正装で着飾って、襟を正して列席者に挨拶してって・・
いや、沖縄の結婚式も、基本はもちろんスーツですし、表向きは何も変わらないんですが、とにかくスタンスがゆるいんですわ。これがまた。
ゆるいその1
オッサン連中、始まる前からビールで乾杯!タバコすぱすぱ。
ゆるいその2
:
司会の方が開宴の挨拶してるそばからレッツゴーとばかりに近所のテーブルにご出張!お話なんぞ聞いちゃいません(笑)
ゆるいその3
かりゆしウェアで参加しちゃってる猛者・・・。
いや、もちろんこの全ての「ゆるい」が揃った披露宴ばかりではないですが、少なくとも1と2はフツーの光景なんじゃないかなぁ。まあ、それもまた肩の力ぬけてていいとも思うんですけどね。
そんなこんなで、料理をいただきながら新郎新婦の生い立ちからゴールインまでを描いたビデオの上映やら、友人知人、職場の上司をはじめとした列席者のスピーチ、数回のお色直しなどを経て、やってくるのが
沖縄版結婚式の最大にして最強のプログラム「余興」です。
僕が最初にこの存在を知ったのは、初めて沖縄で結婚式というものに参加するよりもっと前、住み始めたばかりの頃の休日に那覇のパレット久茂地の前を歩いていた時の事でした。
何やら騒がしい一団に自然と目を止めてビックリ仰天。
若いお兄ちゃんたち数名、ブーメランの海パンにウルトラセブンのゴーグルで噴水を泳ぐ!
観光客も行き交う公衆の面前、胸毛はやした大の大人が「ジュワッ」とかって怪獣ごっこやったり、「わ〜い!」「いや〜ん」なんつってパチャパチャ水かけ合ってます(爆)
パレット久茂地にはイタズラ好きな妖精たちがいるんだと思いました(笑)
よくよく観察すると、
少し離れた所から家庭用のビデオカメラで撮影していることが解ったので、おおよそ大学生が学祭の準備でもしてるのかと思いながら通り過ぎましたが、
それが結婚式の余興に使われてると知ったのは、休日明けの会社で教えてもらった時でした。
で、本題の余興です。
沖縄の結婚式というのは、前方に新郎新婦が並んで座り、それと対面する形で会場の最後尾に舞台が設置されていて、そこで様々な余興が行われるというのが主なスタイルのよう。
大きく分けて、
1:ダンス(職場の同僚とか友人一同とかが多い)
2:琉舞(琉球舞踊ですね。親戚関係が多いです)
3:ビデオ上映(友人絡みがほとんどです)
だいたい以上の3つがよくあるパターン。
多い時では5〜6組ものグループが代わる代わる余興を披露しますが、特徴としては、主にサラリーマンの方の結婚式の場合は、たいがいプログラムに混じってるんですね。
ヨゴレ芸が(笑)
先に書いたパレット久茂地の噴水で泳いでた連中も、おおかたこの類だと思います。
他にも私の経験した結婚式だと、
国際通りの雑居ビルの屋上から、フンドシ一丁で背中にそれぞれ、
「結」「婚」「お」「め」「で」「と」「う」
って背中にマジックで書いた同僚の一団が道路を練り歩く姿を撮影したもの
とか、
友人一同による「生タマゴ満載のビールジョッキ早飲み競争」
など、
あまりにアホらしくも同僚や友人の愛を感じる(?)ヨゴレ芸が、たいてい1つはプログラムに混じってます。
もちろんこういったモノばかりではなく、
本格的なバンドの演奏や琉球舞踊など(特に大トリは琉舞が多い)、様々な余興で参加者を楽しませてくれます。
さてこのウチナーニービチの記事。全2回で締めようと当初は思ってたんですが、ここで急遽第三回のアップを決定(笑)
第三回は、私トシが参加した余興の体験談を書いてみたいと思います。
47.ウチナーニービチその3(by トシ)
沖縄結婚式(ウチナーニービチ)シリーズのトリをつとめる第3回。
最後は、私が実際に舞台に立って経験した、
強烈な余興体験を書いてみたいと思います。
第二回:私の(初めての)余興体験談
それは、私が沖縄に移住してきて一番最初に勤めた会社での体験でした。
ウチナーニービチその1でも書いた「ご祝儀3万円包んだら2万円戻ってきた」という結婚式での体験談です。
私はまだその会社に入社して3ヶ月の下っ端でしたが、
31歳になる営業の同僚がめでたくゴールインすることになり、披露宴で余興を行うことになりました。
余興メンバーのリーダーは、結婚するその同僚と同い年の男性社員。結婚式の約1ヶ月前くらいから極秘裏に準備が進んでいたようで、金曜日の夜、みんなが仕事を片付け終わった後に、演目の発表と第一回の練習をすることに。
しかし、不思議な点がひとつ・・・。なぜか、女子社員が一人もいないのです・・・。
余興のリーダー
「今回の余興はよぉ〜、アブラハムだよ」
一同
「はぁ〜!?」
おもむろに年代モノのラジカセを取り出したそのリーダー。今時なぜかのカセットテープを差し込んでスイッチを入れると・・・
「アブラハムに〜は〜♪7人の子♪一人はのっぽであとはちび♪♪」
ってあの曲ですよ。
その後にやらされた出し物はホントにヒドイものでした・・・
(笑)ところで、話は飛びますが、沖縄の方言で「ちび」って何だと思います?
ちびっ子の「ちび」ではありません。そう・・・。「ケツ」です。
そのパフォーマンスとは、こういうもの。
30過ぎのオッサン4人を含んだ男性社員8人が小学校の体操着のような半ズボンを履いて登場し、「アブラハムに〜は〜♪」の曲に合わせて披露宴のテーブルを縫うように一列に並んで行進し、「あとはチビ!」に合わせていっせいにズボンを下ろしてケツを出す、というもの。
もうまじ、ありえませんよ・・・。
そして本チャンの結婚式。
今回の新郎である会社の同僚は、お父様が県内で会社を経営していらっしゃる由緒正しきお家柄・・という事で、結婚式には浦○市の市長さんやら、現在衆議院議員の下○さんもご列席だったのです。余興タイムが始まり、ステージの上では、奥様方の琉球舞踊や三線の演奏、そして新婦の職場の同僚が制作した感動的なビデオなど・・・。
そして、なぜかトリから二番目で、我ら新郎の会社の同僚一同が登場。
私の前方にはアノお方が・・・。
「アブラハ〜ムに〜は〜7人の子・・・」
「ひとりはノッポで後は」・・・「チビ!!」
僕がケツを出したのは浦○市長の前でした・・・。
<おわり>
48.沖縄の人はきっと素直なんだろうな
これは、東京に帰ってきてから、というよりも、沖縄にいるときからヒシヒシと感じていたことですが、
沖縄の人は、何と言うのでしょうか…
愛されなれているというか、割と
自分が好きというか、
自尊心をしっかり育まれてきたんだろうな、と思うことが多々ありました。
要するに、東京で育った私にしてみると、「ええっ!」と思うことがあったのです。
ごめんなさい、何のことを言いたいのか分かりませんよね。
具体的な例を挙げてみます。
以前沖縄に住んでいたとき、ある女の子から、とあるイベントに呼ばれました。
何でも「
クラブを借り切って、基地の外国人友達も参加する大規模なパーティーを開催するから来ないか」というのです。
面白そうだなと思い、何のイベントなのかと聞くと、なんと「
私の誕生日パーティー」と言うのです!
結局私は参加できなかったので、後で写真を見せてもらったのですがびっくり!
なんと
ウェディング・パーティーさながら、ドレスを着て(さすがにウェディングドレスではありませんが)、ティアラをつけて、ライトを浴びて祝福されているではありませんか!
自分の誕生日に、クラブを借りて、ドレスも借りて、友人を一斉に集め、「私の誕生日を祝って♪」というイベント、ちょっと私には考えられなかったわけです。
もちろん、ここまでする人は沖縄でもごくごくレアな方だとは思います。
ですが、それに近い感じの印象を持ったことはありました。
自己紹介の時に、やはりある女の子が
「○○といいます。
よく癒し系と言われます」みたいなことを言っていたんです。
それが、よくある(ないか?)「どうもー、
ジャニーズ系の○○でーす!」などという「
"逆"自虐ネタ」とかではなく、本気で言っているわけです。
※まぁ確かに癒し系といえなくもなかったですが。
要するに、沖縄では、一般には『
シャイな県民性』といわれている割には、「
あらら、自分で言っちゃったよ!」とか「
自分でやっちゃったよ!」という事を、東京にいたときよりも良く体験した気がします。
さて、ここまでの私の書き方からすると、沖縄の方を「自分大好きなナルシスト」と評しているように感じられるかもしれませんが、私はむしろ、
これは本当に素晴らしいことだと思っております。
私を含め、多くの人は「自分で自分を祝福し、高めること」を、今風に言うと「痛いこと」「寒いこと」としてしまってはいないでしょうか。
ですが、(もちろん程度によりますが)
正当な理由と根拠があるのであれば、自分に自信を持って、「私は○○なんだよ♪」ということは、本当に美徳ではないでしょうか。
そういった意味で、
沖縄の人はとっても素直な人たちだと思うわけです。
人の目を気にせず、「私○○なんだよ♪」「私の○○を見て!」と、
長所にしっかりと自信を持って歩んでいます。
これはきっと、
親の愛し方がうまいから?とも思ったものです。どうなのでしょうか。
49.続・沖縄と暴走族
以前、「
沖縄の暴走族は優しい」というような記事を書かせていただき、色々なご意見をいただいたことがありました。
実際、私が沖縄に住んでいたときに遭遇した『暴走族』の方は、なんとも優しそうな、世の中に真の不満はなさそうな感じがしており、ほほえましくも思える雰囲気だったという印象です。
ですが先日、少しだけ見たTVにて、意外や意外(?)、凶悪化する沖縄の暴走族事情が浮かび上がってきたのです!
そこで、少しだけ調べてみますと、どうも沖縄の暴走族、「優しい方たち」と「けっこう怖い方たち」に分かれるようです。私が以前触れたのは、確実に前者の「優しい方たち」です。遭遇率としてはこちらの方が多いと思います。何せ私は「優しい方たち」にしか会っておりませんから。
ですが、時に遭遇する「けっこう怖い方たち」は、どうもけっこう怖いようです。道は逆送する、暴力沙汰を起こす…。
2002年にこんな事件があったようです。
警察に「58号線をたくさんの暴走族が走ってます!」という通報が入りました。
それを受けてパトカーが2台出動するのですが、どうも通報された現場に行っても、暴走族の姿は確認が出来ず、若者が騒いでいるだけとのこと。「コラコラ君たち、帰りなさい」と注意したそのとき!!突如バイクが現れて、パトカーのフロントガラスを鉄パイプでなぐり破壊!
しかも数分後、別の場所でも待機していたパトカーが襲撃され、やはりフロントガラスが破壊されたそうです。
おおこれは!うわさに聞いた同時多発テロ!!!
警察では現場付近にパトカーをおびき出すため、虚偽の通報を行った可能性が高いと判断。また、現場付近で騒いでいた期待族の若者も一種の陽動作戦だったのではないかとみて、操作したそうです。
うーむ、諸葛亮孔明先生も真っ青の素晴らしい作戦。身もすくむ思いですね。
1997年には、救急車を襲った「けっこう怖い方たち」もいたとか。ダメですよね。もし重態患者の方がいたらどうするんですか。
以上、調べてみると、やはり世の中、「優しい方たち」だけではないようです。沖縄においても、やはり「けっこう怖い方たち」もいるのですね。
私の以前の記事を読んで、「けっこう怖い方たち」に対して、安心と親しみを込めた、挑発的な態度をお取りになった方がいないことを祈るばかりです。
最後に。
やはり時代の潮流のせいか、全国的に暴走族の方たちは減少傾向にあるようです。ですが、沖縄では増加傾向にある、と指摘する識者もいらっしゃいます。
沖縄の若人の方へ。もし暴走族になるのであれば、せめて「優しい方たち」側になってはくれませんでしょうか。沖縄に憧れる多くの人のためにも、是非お願いいたします。
再び最後に。
「暴走族」という呼称が、ある種「かっこよさ」を感じさせるので、皆様もご存知かもしれませんが、最近では「珍走団(ちんそうだん)」と呼ぼうという動きが、ごく一部であるようです。
このムーブメント、本当に面白いんです。興味のある方は是非こちらを。
50.ユタさま効果
先日、こんなニュースがありました。
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ユタについてはこちらをご覧下さい。
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沖縄県の宜野湾市立真志喜中学校で、民間の霊能者として知られるユタの女性を招いておはらいを行った際、女子生徒5人が体調不良を訴え病院へ運ばれていたことが22日、分かった。
同校によると、数年前から吹奏楽部で「練習中に気分が悪くなる」「霊が見える」などと話す生徒がおり、一部の保護者からの提案でおはらいをした。
部活終了後の21日午後7時すぎ、音楽室や廊下に生徒約60人と7、8人の父母、顧問の教諭が集まり、ユタが酒と塩をささげておはらいを開始。20〜30分ほどして、女子生徒約20人が「気分が悪い」「息苦しい」と訴え、うち5人が過呼吸状態になり病院に運ばれた。全員、その日のうちに回復し帰宅したという。
同校では5月にも、けが人が多かった女子ソフトボール部でユタを呼んだところ、効果があったとうわさになっていた。
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幾つか驚いた点があります。
1)学校レベルで「お祓い(おはらい)」をしようという話になること
私の周りでこういう話を聞いたことがないだけでしょうか。
学校(PTA?)が率先してお祓いをお願いするのですね。
お金は誰が払うのでしょうか。みんなで出し合うんですよねきっと。
2)7,80人が集まったこと
すごい数です。「音楽室や廊下に…集まり」と言っていますが、要するに入りきらなかったんですよね。
多分吹奏楽部でない子たちも「やいのやいの」と来てますこれ。
3)気分が悪くなった子がいたこと
そしてメインがこれです。なんと20人くらいが気分が悪くなったんです!
わたしも「科学で全てが証明できる」とは思っていない人間ですが、それでもホントにこういうことが起きることが驚きです。
もちろん精神的な作用なども大きく関わっていたのでしょうが、すごい話です。
4)ソフトボールでも呼んでいたこと
おお、リピーター!ヘビーユーザー!!
でも効果があったのならそりゃまたお願いしますよね。
昨今のスピリチュアルブーム、こんな角度からも沖縄に興味をもたれる方もいらっしゃると思います。
沖縄では今でも(もちろん本土でもある程度はそうですが)スピリチュアルな話が大好きな土地です。
興味のある方は色々調べてみてください。良くも悪くも、色々な面が見られると思います。
最後に、今回の吹奏楽部の子たち、効果はあったのでしょうか。
51.沖縄の正月 〜その1〜
沖縄はもともと琉球王国という独立した国であり、日本ではなかったということは言うまでもなく有名な話です。
どちらかというと大陸寄りの文化のルーツがあるのですね。その影響か、旧暦を意識する部分もあります。
最近ではもちろん、新正月(つまりいわゆる1月1日の正月です)がメインになってきていますが、今でも旧正月と新正月の両方をお祝いする家庭もあるのです。
特に糸満市など漁業の盛んな地域では盛大に旧正月をお祝いしています。
さて、みなさんは年末〜お正月の習慣と言えばどのようなことを想像されますか?
まずは当然、年越しそば、そして年が明けて初詣、お節料理、しめ飾りなどでしょうか。
沖縄ではどのような文化があるのでしょうか。
<年越しそば>
なんと、…といいうかやはり、というか、年越しそばは沖縄そばです。
<お節料理>
豚料理が多いようですね。豚の内蔵を使った中身汁が出ますね。
さらに、クーブイリチィ(昆布と豚肉の炒め物)というものもふるまわれます。
ちなみに、正月に縁起物を追及するのは本土も沖縄も同じです。例えば縁起のいい食材とされる昆布を使った昆布巻きが出るのは本土も一緒ですし、子孫繁栄を表す縁起のよい食べ物とされる田芋を使ったターンム田楽というのもふるまわれます。
<しめ飾り>
しめ縄飾りも本土のものとは違います。
良く知られているのは、みかんと炭、そして昆布がセットになっているものが多いようです。
これも縁起物です。
みかんはその色がオレンジであることから金運のため、
炭はいつまでも朽ちないことから子孫繁栄のため、
昆布は同じですね。「よろこぶ」の意味です。
52.沖縄の正月 〜その2〜
前回の続きで、沖縄の正月についてですが、今回は特に一つのモノにフォーカスしたいと思います。
「ウチカビ」というものです。
少し話がそれますが、みなさんは「六文銭」はご存知でしょうか。棺桶に一緒に入れるお金ですね。
さすがに棺桶に金属のものは入れられないという理由で、近年では六文銭と称した印刷した紙のものが入れられますね。
これは、「三途の川の渡し賃」とされており、死者と共に埋葬や火葬などされるものです。
ウチカビは「あの世用のお金」という意味では同じですが、三途の渡し賃という意味では使われていません。
単純に「あの世で使うお金」です。
形状としては、紙の束です。
これを燃やして使います。燃やすことで「あの世で生活の足しになるように」と死者に餞別を渡していることになります。
ウチカビを燃やす際にはまんべんなく燃やす方が良いと言われております。
このウチカビ、旧暦の1月16日に焼いて祖先を供養するために使います。
六文銭とはここも違いますね。
つまり、六文銭は、埋葬する際に一度だけですが、ウチカビは毎年旧暦の正月の際に使うということですね。
53.卒業式の小麦粉禁止令
別の記事で、沖縄の卒業式の風習で小麦粉をぶちまけるという話をさせていただきました。
まあ何と言いますか、こういう地域ならではの謎の風習はありますよね。
沖縄以外にも、似たような変な風習はあると思いますし。
いずれにしても、どう考えても誰も幸せになる絵が見えない風習(?)ですので、ついに地域が動いたようです。
那覇市内、学校近くの店舗が、「未成年に小麦粉を売らないように」という自粛を取り始めたようです。
スーパーの小麦粉コーナーに、「中学校の卒業式まで未成年者への小麦粉販売を自粛します」という貼り紙がしてあるそうですよ。
これ、文脈を知らない人が読んだら、きわめてシュールな2文じゃないでしょうか。
===
那覇市内、学校近くの店舗が、「未成年に小麦粉を売らないように」という自粛を取り始めたようです。
スーパーの小麦粉コーナーに、「中学校の卒業式まで未成年者への小麦粉販売を自粛します」という貼り紙がしてあるそうですよ。
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あたかも未成年は飲酒禁止なので、売ってはいけない買ってはいけないかのごとく、「小麦粉販売の自粛」ですよ。
なんか白い粉のメタファーとしての小麦粉がにおい立ちますが、紛れもなく普通の小麦粉のことなのです(笑)。
こういうイベントや習わしも、時代とともに流行り廃りがありますからね。
私が中学生の頃は、髪の毛を「脱色して茶髪」が流行ったり、「ネクタイの芯を抜いて細くする」とか、なんか不思議な突っ張った慣習がありましたからね。
上述しましたが、「誰も幸せにならない」なんて言いましたが、若さゆえのイベントなので、本人たちは楽しいのかもしれませんね。