ここが変かも沖縄人 『愛すべきウチナーンチュへ』
〜ちょっとした本土との風習の違い(バカにしてませんよ!)〜
このページでは、僕が感じた、沖縄の人の独特な文化風習を、本土(と言っても僕の生まれ育った東京基準で申し訳ないのですが)と比較して、興味深かった違いを列挙します。尚、タイトルで『…変…』と言ってしまっておりますが、別に改めることを願っているわけでは決してありませんのでよろしく。文化風習の違いは決して悪いことではないのですから。
31.傘をささない
今年(2006年)の梅雨は、沖縄各地で甚大な被害を出していました。
6月17日、沖縄本島で激しい雨が断続的に降り続き、24時間雨量は那覇市で257ミリを観測したそうです。これにより那覇市の6月の月間降水量は17日午後5時の時点で、722ミリに達し、なんと113年ぶりに観測記録を更新したのだとか。気象庁は、沖縄本島では過去数年間で最も土砂災害の危険が高まっているとして警戒を呼び掛けていました。
そして大雨の被害も多く報告され、14カ所で92人が一時避難。本島中南部などで土砂崩れ19件、床上浸水25件、床下浸水16件などの被害が出たそうです。
沖縄の梅雨って、やたら激しいです。本土のような『シトシト長雨』という感じではなく、雨粒もヘヴィ級。殴りつけるような雨のような気がします。
さて話は変わりますが、雨の時の必須アイテム、これはもう言うまでもなく傘、ですね。
本土では、満員電車に乗って、濡れた傘がズボンやスカートに密着して濡れる、という言わば「二次災害」なども嫌われておりました。しかし、ここ沖縄ではそのような二次災害はあまり報告されないようです。それは決して満員電車がないから、ではありません(もちろんそれもあるのですが)。
ではそれはなぜか。それは、雨に濡れるという一次災害があまりにも甚大だからです。ていうか沖縄の中高生、傘をささない人がとても多いんです!!
本当に降りしきる雨の中、傘を差さずに(ていうか持たずに)ビショビショになりながら通学している光景をしばしば見ます。しかも彼ら(彼女ら)、別に走ったりもせず、ただひたすら濡れながら歩いているのです。沖縄の中高生、「今日はなんだか雨に濡れちゃいたい気分」人口が多いのでしょうか。…にしても多すぎです。
制服をビショビショにして歩いている女の子など、もう色っぽさを通り越して「おいおい、大丈夫か?」という気持ちにすらなってきます。
ある人は、「ここまで雨が激しいと、傘をさす意味がないからだよ」と言っておりましたが、「いやいやいや、意味はあるから」と、力いっぱい突っ込ませていただきます。絶対にそんなことはないはずです。
面倒なのでしょうかね。でも風邪をひいたりしないことを願うのみです。
32.レシスソ日
これから申し上げます内容は、
あくまでも「ごく一部の人」のみに見られる傾向であることをよく理解した上でご覧頂きたい内容です。…ではあるのですが、
3回もこの事例に遭遇しますと、ちょっと偶然とは思えないのですが…。
1.私が働いている会社で、
車を取り扱っている部門があります。
先日、用事があってそちらの部門に行きますと、ふとある
同僚の机に、
「車両管理表」なるものがありました。それに目を通していますと、
私の知らない新車種が、
各車メーカーから発表されていることに気づきました。
さて、その車種とは…「
トヨタ ヴィッシ」!!
もちろんこれはヴィッツ(VITZ)のことなのです。この同僚、
カタカナの『ツ』が書けずに(んな馬鹿な)、いつも『シ』と書いてしまうのです。車両ナンバーと車種がズラッと一覧になっているのですが、
いたるところに「ヴィッシ」「ヴィッシ」「ヴィッシ」…。もう2時間くらい腹を抱えて笑わせていただきました。
ゲラゲラとのた打ち回って笑っていますと、
それを見た別の同僚が、「
こっちも見てくださいよ。かなりウケますよ。」と、その
『ヴィッシ』を書いたのと同じ人が書いた別紙を見せてくれました。そこに書いてあったのは…「
マシダ デミ万」!!
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、これは
「マツダ デミオ」のことなのです。
どう見ても「マシダ」、「デミ万」にしか見えない!さらに
笑い転げる時間が2時間加算されたことは言うまでもありません。
もう本当に、笑い死ぬかと思いました。ここ数年で一番生命の危険を感じた事件でした。
2.さて、別の時に、やはりこの車を取り扱っている部署に足を運んだ時の話なのですが、その時別会社の偉い人から、書類が郵送されていました。
その文書に目を通してビックリ!!やはりこの方も「マツダ」を「マシダ」と書いていたのです!!このときはさすがに笑えず、むしろ自分の常識を疑い始めたものです。隣にいた人を捕まえて、「…これ『ツ』だよね…。正しいのは『ツ』だよね!そうだよね!?『ツ』ってこう書くんだよね!?」と確認してしまいました。
3.さて、いよいよ今回のタイトルになっている点です。
先日、街を歩いていますと、とある黒板に目がとまりました。画像をご覧下さい。最初、私は一体何のことか全く分かりませんでした。「レシスソ日」?
もちろんこれ、「レッスン日」のことなのです…。
うーむ…沖縄、奥深し…(?)。
33.ミスターコンテスト
よく、友達と「
昔の卒業アルバム」を見せあったりしますよね。その
友人の意外な変わり様や、「
誰がもてた」「
誰と誰が付き合っていた」とか、「
このカップルは意外だ」なんて、
余計なお世話の評価をするものです。
さて、以前
沖縄の友達の、
高校の卒業アルバムを見せてもらったときのことですが、その友達が
ある男の子を指して「
この子ミスターだよ」と教えてくれました。
「
…ミスター?」
私はてっきり
ミスタージャイアンツの物真似マスターかと思ってしまいました。
何でも聞くところによると、沖縄の多くの高校では(実際にどれくらいの比率か分かりませんが)、
ミスコンに加え、ミスターコンテストもやるそうなのです。毎年
1位〜5位、
場合によっては10位くらいまで発表されるとか。すごいですね。楽しそうですね。
東京にいたとき、
ミスターコンテストまでやっている高校を、私は聞いたことがありません(やっているんでしょうか?)。
大学では、東大と上智は聞いたことがありますが、ほかもやっているのでしょうかね…。
さて話は変わりますが、先日、
ロサンゼルスで行われていた第55回ミス・ユニバース・コンテストで、
日本代表で沖縄県出身の知花さんが準ミスを受賞したそうですね。素晴らしいことだと思います。おめでとうございます。
34.生卵を食べない
実は今回の記事、一度書いたのですが、そのすぐ後で掲載を迷ったんです。というのも、この記事を書いた後で確認のため、記事の内容について2人の沖縄の方に聞いたところ、二人とも「…そんなことないよ」という返事をしてきたからです!
この記事を書くまでは、この記事の内容に『絶対の確信』があったのですが、記事の準備をした後に否定的な声を聞いたので、とても掲載意思が揺らいでしまったのでした…。
ですので、以下の記事を読んで、私は沖縄の人がどう思われたか、むしろとても聞いてみたいのです。では以下の『記事』、ご覧下さい。
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本土で温泉旅館などに泊まりますと、朝食は膳ものがよく提供されます。ご飯とみそ汁、焼き魚と漬物、そしてそれに生卵がついてくるものです。
寝起きでノーメーク、浴衣はだけんばかりの眠そうなお姉さんたちが、その卵をシャカシャカかき混ぜて、ご飯の上にかけて食べるのも、本土の温泉旅館で見られる、一つの季節の風物詩でした(?)。
さて、沖縄に引っ越してから、薄々感じていたのですが、あるとき沖縄の人に話を聞いて「やはりそうだったか」と確信したことがあります。沖縄の人、生卵を食べる習慣がほとんどありません。
何人かに聞きましたが、「食べろって言われれば食べるけど…食べないなぁ」とか、「やだ、何か気持ち悪い」という風に、能動的に食べる人はあまりいませんでした。
実際、生卵を食べることに対して、不衛生であるという見方もあります。サルモネラ菌の存在です。この菌は70度以上の熱で数分加熱すると死滅するそうですが、しばしば卵の殻についているらしいです。それで、卵を割って食べる際に、サルモネラ菌も一緒に入ってしまうケースはたしかにあるそうです。イギリス人やアメリカ人も、絶対に生卵は食べません。
※でも彼らは、狂牛病の危険があると言われても、平気で牛肉を無警戒で食べています。衛生に関する価値観の違い、これもまた興味深いですよね。
いずれにしても、沖縄がそのアメリカ文化の影響を受けて食べないのかどうかは知りませんが、沖縄の人はほとんど生卵(卵かけご飯)を食べません。
もちろん、沖縄に卵料理はたくさんあります。炒め物などは、卵でとじるものがたくさんありますし。
そして加えて1点。沖縄の人、納豆は食べますよ(食べる人と食べない人がいるが、それは全国的な平均と同じだと思います)。
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上記までの内容を準備した後で、掲載を迷ったわけです。「自分は食べますよ」とか、「あんまり好きじゃないけど、それしかなかったら食べるよ」なんていう声を聞きました。
さてさて、事実はどうなのでしょうか。
…でも統計を取ったら、絶対『卵かけご飯 食べ率』は本土よりずっとずっと低いと思うのですが…。
35.946ml
沖縄で牛乳を買いますと、まず間違いなくその量は946mlです。
本土ではジャスト1リットルですよね。少しだけ少ないんです。
これはなぜか。
この理由を知りますと、毎回出てくる『
沖縄のインターナショナリゼーション・またはアメリカナイゼーション(?)』が再び見えてくるのでした。
実は、一見するとこの中途半端に見える量も、
れっきとした理由があったのです。
結論からいいますと、これは
アメリカ統治下からの影響です。
アメリカでは量の単位にガロンが使われております。
1ガロン=3.784リットル ですから、これを
÷4してみましょう。
つまり1/4ガロンにしてみます。すると!946mlになります。
そうです、
この946mlとは1/4ガロンのことだったのです。
実は私は最近知った事実だったのですが、けっこう有名な話らしいです。もしよければ、『沖縄 946ml』で検索されてみてください。たくさん結果がでてきます。
以前にも触れましたが、沖縄ってこういうコマゴマしたところで、さりげなく国際化をにおわしているあたり、興味深い土地ですよね。
36.糸満美人
懐かしの「変な看板」シリーズ、
久しぶりにいいネタがありましたのでご紹介します。そしてそれにまつわる面白いお話をご紹介できればと思います。
「糸満美人多し スピード落とせ」
はい。意味が分かりません。
この脈絡のなさ。何で美人が多いとスピードを落とすのでしょうか。
「あんたどうせ道行く美人に目を奪われるだろ?じっくり見たいんじゃないかい?クックック、あんたも好きだねぇ…。ならスピード落とさなきゃぁ」ということ?
それとも、
「あんたどうせ道行く美人に目を奪われるだろ?んで、どうせ事故るだろ?ならスピードが遅い方がまだ被害はマシってもんさぁ」ということ?
それとも、
「あんたまたそんなスピード出して!万が一美人をはねちゃったらどうするんだい!ああ、もったいなやもったいなや…」ということ?
いずれにしても、糸満警察署のかなりの本気ビーム、ビンビン感じます。
さて、冗談はさておき(?)、糸満市は美人が多いことで昔から知られています。糸満美人と言う言葉は、本当に存在します。沖縄の中でも色が白く、スラッとした人が多いという説があるのです。
そしてこれには実は歴史的な根拠がある、という話を読んだことがあります。そしてそれは何と、「糸満(イトマン)」という地名の由来にもなっている、という話なのです!ご紹介します。
昔、外国(イギリス説が濃厚)の船が沖縄近海で難破しました。そしてその船に乗っていた8人の男が難を逃れてこの地、現在の糸満に住みついたそうです。それで、8人の男が住み着いたから、この地が「エイトマン」と呼ばれる様になり、それが今の糸満の由来だそうです。
…ほ、本当ですか!?教授!!
エイトマンって言ったら奥さん、「走れエイトマン 弾丸よりも速く 叫べ胸を張れ 鋼鉄の胸を♪」でしょ!?
エイトマンが糸満市の名前の由来だったとは…。
でも実際に、ロンドンガマと呼ばれるガマがあり(『ガマ』は洞窟です)、そこは、彼らエイトマンが住んでいたとされ、故郷を懐かしく思うあまり、彼らが「ロンドンガマ」と呼んだ、と言われています。
さて、話は脱線しましたが、このエイトマンが地元の娘たちと親しくなり、結婚をして子孫を増やしていきました。そのため、今でも糸満の人たちは、沖縄の中では色白でスラッとした人が多く、「糸満美人」となったそうです。ホンマかいな。
余談ですが、糸満のおじさんと話をすると、何を話しているのか全く分かりません。方言がキツいのです。しかも困ったことに、こちらが理解していないことを気づいているのかいないのか、全く意に介さず話し続けてくれます。ある意味、とても公平な方たちです。
37.食文化(肉)
沖縄で一番有名な
動物性タンパク源は豚肉かもしれません。「
あぐぅ」という豚の品種は、もはやブランド化して人気となっております(
断末魔の叫びみたいな名前ですね。
「おのれー!父の仇じゃ!死にさらせー!」「あぐぅ…!」)。
しかし、
昔は豚肉を食べられるのはお正月くらいだったそうで、こんなにも庶民的になったのは近年になってからだそうです。
では昔の沖縄では、何が貴重なタンパク源だったのかと言いますと…。
「ひと」だそうです。
いえ、もちろん
「人(Human)」ではありません。
正確には「ヒートゥ」といい、小型のクジラやイルカのことです。新鮮な肉は
刺身に、または
味噌汁や
炒め物で食べ、保存食としても
塩漬けで食べられていたとか。
イルカだけではありません。昔の沖縄では、
その他色々な動物が食べられていたそうです(今も地方によっては、なお食べられているとか?)。
犬を食べていた地方があると聞きました。
意外と美味しいらしいですよ、裏庭のポチ(犬の名前で「ポチ」って…)。
ある新聞投稿に「子供のころ、
飼っていた犬がいなくなったと思っていたら夕食に出てきた。悲しくて涙が出たが、食べたら
意外と美味しくてまた涙が出た。」なんていうものがあったとかなかったとか。
ホ、ホンマでっか?お奉行はん!
そういえば
似たような話を身近に聞いたことがあります。
その人は
子供のころ、ヒヨコを飼っていたそうです。彼はとてもそのヒヨコを可愛がり、彼の父親が院長として経営していた病院の中を、よく
そのヒヨコを追いかけて遊んでいたそうです(
「今思えば、すごく不衛生な話だ」とよく回想していました)。
ところが
ある日、そのヒヨコは姿を消します。彼は父親に「私のヒヨコはどこにいったの?」と聞くと、父親は「
…食った」と言い捨てたそうです。そしてもう一言。「
…美味かった」と。
ホ、ホンマでっか?ドクターはん!
いやいやいや、味は聞いてないから…。
彼は叫んだそうです。「
あぐぅ!!」
ヒヨコを食べる話はおそらく、日本全国どこにでもあると思います(私は食べたことはないですが)。そして
その地方ならではの「変わったもの」を食べる習慣は、色々あるでしょう。「蜂の子」とか「いなご」とか。
皆さんの地方の「変わったもの」、是非紹介していただきたいくらいです。
最後に、沖縄では昔からいまだに、
山羊を食べる習慣があります。もっとも、家庭の食卓に出されるという話は聞いたことがありませんが。
山羊料理屋はたくさんありますので、沖縄にいらっしゃった時には是非試されてください。
猛烈に『牧場臭』がしますよ。全く好き嫌いがないことを自負する私も、
さすがに「美味しい」とは言い難いです…。
その匂いに、
みなさんもきっと料理を出された時に叫ぶことでしょう。「あぐぅ!!」
38.語尾を延ばす
別のところで、よく
女の子が名前を伸ばして呼ぶことに触れました。
かなこ → 「かーなー」
みか → 「みーかー」
ななこ → 「なーなー」
みのり → 「みーのー」
まりこ → 「まーりー」
あかね → 「あーねー」
沖縄ではそれ以外にも、
基本的にけっこう単語の語尾を伸ばします。
例えばあの苦瓜、「
ゴーヤー」。どちらが正しいのかは知りませんが(どちらも正しいのでしょうが)、本土のある人が「ゴーヤ」と言っているのを聞くと、
「ゴーヤーだよ!」と、ムラムラと訂正したくなる沖縄の方がいらっしゃるそうです。
別の例では「
しりしりー」。
沖縄料理で、「
〇〇しりしりー」と言うものがあります。例えば「にんじんしりしりー」。
これは
にんじんを“しりしりー”と薄くスライスし(擬音ですね)、それをポークや卵と炒めたりする料理のことです。
私はこの料理のことを、会社の人との話しの中で初めて聞いたのですが、私の中ではこの料理名を「にんじんしりしり」と言う風に、
語尾を伸ばさずに理解しておりました。
しかし、沖縄の人に聞くと、「うーん…
まぁどっちでもいいけど、やっぱり『しりしりー』かなぁ」と言われてしまいます。
そして一番驚いたのがこれ。
先日、会社の人が残したあるメモに書かれていたモノを見てビックリ。「
コカ・コーラー」という単語があったのです!!
何でも、
もっぱらお年寄りに多いそうですが、
「コーラ」を「コーラー」という風に語尾を伸ばすのだそうです(そのメモを書いた人はまだ若かったですが)。
コーラーって…
往年のサッカー名選手「ユルゲン・コーラー」?
私が、「ふうん、そうなんだぁ、
沖縄ってけっこう語尾に『ー』をつけて伸ばすんだね」と言うと、沖縄の友人は、
「うーん…
どっちかと言うと『ー』よりも『ぁぃぅぇぉ』っていう感じ。
例えば『にんじんしりしりぃ』、とか『まぶやぁ』みたいな」と微妙な雰囲気を解説されました。
この、
微妙なニュアンスっていうのが、言語の面白いところですよね。この感覚は真の意味で文化に慣れ親しまないと分かりません。
39.ぐゎー
以前、お勧めスポット 食べ物編で、「ぐぅーしぐゎー(小)」という沖縄そば屋さんをご紹介させていただきました。そこで私は、「沖縄のいたるところで時々見受けられる、この『ぐゎー(小)』とは何か」を知りたい旨をお話しましたが、今回、本を読んでいてそのヒントになるものを得ましたので、ご紹介します。
ただ、この話も、やはり真の意味で文化を肌で感じませんと、自分で使うことのできないもので、やはりニュアンスを感じる必要のある話でした。
まず、結論から申しますと、この『ぐゎー』とは、文法的には、指小辞(ししょうじ)に分類されるそうです。ではその指小辞とは何か。辞書によりますと、「ある語に付加し、その語の示すものよりさらに小さな観念あるいは親愛の情を示す接語」のことだそうです。
この説明では分からないかもしれません。では次の言葉は皆様、聞いたことがあるかもしれません。「嫁っこ」「馬っこ」。
この場合の「…っこ」がまさに指小辞です。『嫁』や『馬』という一つの名詞に、「っこ」をつけることにより、何となく愛らしい雰囲気に仕立て上げております。
沖縄の「ぐゎー」がまさにそれです。例えば、「おーい、オバァ、サキ(酒)ぐゎーくれ!」とか、「いいだろ!タバク(煙草)ぐゎーくらい吸わせろ」という風に、少し愛嬌のある言い方になります。
…ということは、何でもいいから名詞につければいいのでしょうかね。沖縄の方、是非ニュアンスを教えていただきたいです。食卓のワンシーンとして、下の使用例はおかしいでしょうか…?
「箸ぐゎー取って」「あ、醤油ぐゎーが切れた…」「生卵ぐゎーは食べたくないさぁ」
ではなぜ、『ぐゎー』をしばしば『小』と書くのか。これは、半ば強引に解釈している部分があるそうです。つまり、「いしぐゎー」と言えば小石のことだそうですし、「いゆぐゎー」であれば小魚だそうです。ですから、逆に言えば『ぐゎー』とは『小』のこと、と解釈できるのかもしれません。
ちなみに、与那国では、この『ぐゎー』に相当するものが「てぃ」だそうです。幼児は「あがみてぃ」と言うそうです。そして宮古や与論では『がま』がつくとか。
…にしても「ぐゎー」って。黒豚の品種「あぐぅ」に付けると、「あぐぅぐゎー」になるのでしょうか。断末魔の悲鳴のようですね。2回斬られた時の。「おのれー!父の仇じゃ!死にさらせー!」「あぐぅ ぐゎー…!」
40.ええっ!?こんな時間に!?
先日、会社の友達4人で
深夜のドライブをしていた時のことなのですが、メンバーの中の
ある本土出身の子が、「
…ねえ、沖縄の人ってビックリする時間に犬の散歩しているよね…」と、気づいたように口を開きました。
その子が言うには、ドライブ中、その時間まで(夜の2時)に、少なくとも3人が、犬の散歩をしているのを見たというのです。なるほど、それからみんなで意識して見ていますと…やってるやってる!確かに、深夜に、それも明日も仕事があるであろう平日の深夜に犬の散歩をしている人を時々みかけるのです。
なぜなのでしょう。やはり日中は暑いからでしょうか。治安がいいからでしょうか(そうとも思えないのですが)。
車の中で、別の子の発言に、一同納得して笑ってしまいました。
「犬の方がビックリしてるんじゃないの?」
確かに、散歩用の紐を持って出てきたご主人様を見て、犬もビックリ跳ね起きていることでしょう。「ええっ!?今から散歩っすか!?マジっすかご主人様!!」
先日、全然沖縄とは関係のない話で恐縮ですが、犬にまつわるグローバルなニュースを見ました。
パリで、犬を飼う人の数が減少したそうです。割合で言いますと、9%から7%まで減少したとか。理由は、家賃の高騰と、そして『ふん』をめぐるマナーの強化が背景にあるそうです。
確かに、私は訪れたことがないので、聞いた話でしかありませんが、パリの街中って、糞まみれらしいですね。花の都が…。
沖縄でも、別のところで触れましたが、飼い主の無責任さも一つの要因となって、野良犬が大変増えているそうです。
糞の後片付けも含め、飼い主にはきちんと飼い主としての責任を果たしていただきたいものです(もちろん沖縄だけでなく世界的に)。そういった意味では、犬のために一生懸命深夜に散歩をしている、沖縄の飼い主さんには頭が下がります(?)。
でも、しつこいようですが、寝ていた犬もビックリしていると思いますよ。
「ええっ!?今から散歩っすか!?マジっすかご主人様!!」